特にクラシックの分野に限定して言及するならば、このホールの売りは新国立劇場と同様の四面舞台機構を備えた大ホールを初めとする施設の面だけでなく、若杉弘(初代)・沼尻竜典芸術監督以下財団法人びわ湖ホールがプロデュースする企画の数々にある。
初代の芸術監督・若杉弘は、ホールに専属の声楽アンサンブルを編成し、そのメンバーらが時にソリストとして室内オペラを演奏したり、ホールがプロデュースするオペラやコンサートの合唱を担当する。また、ホールだけではなく、県下学校への巡演(教育プログラム)、更には全国各地で演奏するまでになり、ついには3月、初の東京公演をするまでになった。
既述のオペラは、日本人キャストでヴェルディの上演回数の少ないオペラ(例:ジョヴァンナ・ダルコ、スティッフィリオ、アッティラ他)を芸術監督自らが指揮をとり行ってきた。勿論、日本初演も含まれており、その意義は高く、このオペラを見に今まで県内外から沢山の人々が訪れたのは言うまでも無い。芸術監督が代わっても、ドイツオペラを中心としてプロデュース、今年の神奈川県民ホールとの共同制作による《ばらの騎士》の成功は特筆されるべきことであろう。
そんなホールが今、岐路に立たされている。
32年ぶり、滋賀県予算に修正案 「福祉が不十分」自民会派提出へ
3月1日10時29分配信 京都新聞
滋賀県議会の最大会派「自民党・湖翔クラブ」は29日までに、開会中の2月定例会に提出された新年度一般会計予算案を「福祉が不十分で承認できない」として、一部修正する案を3月下旬の予算特別委員会に提出する方針を固めた。滋賀県議会で予算修正案が提出されるのは32年ぶり。委員会で可決されれば、同24日の最終本会議に提出される。
関係者によると、修正案は、県が財政構造改革プログラムで削減した乳幼児などの福祉医療費約4億円を増額し、前年度と同水準に引き上げる。その財源として、びわ湖ホール(大津市)を約半年間休館し、その間に民間会社も含めた管理者を公募して自主運営費を削減することなどを検討している、という。
今後、ほかの会派にも協力を呼びかけ、協力会派との連名で修正案を提出したい考え。同クラブの県議の1人は「知事と対決するための修正案ではない。福祉を削るような予算案は通すべきではないし、知事のマニフェスト(公約集)にもそぐわない」と話している。
県議会事務局によると、滋賀県議会に予算修正案が出されるのは1976年以来。この時は、自民党系会派が当時の武村正義知事の予算案に対し「老人医療費や遺族会援護費が不十分」などと反発し、修正案は賛成多数で可決された。
オペラ、9月に上演 びわ湖ホール新年度事業
2月29日23時39分配信 京都新聞
財団法人びわ湖ホール(大津市)は29日、2008年度の公演など事業概要を発表した。開館10周年を迎えるのに合わせて、総公演数は07年度を上回る102を催し、秋にオペラ形式の記念コンサートを上演するほか、子どもら初心者も音楽に親しめるコンサートや講座も充実。県の予算削減には基金取り崩しで補い、07年度並みの予算を確保する。
自主公演は、前年度から4件増の49件。開館10周年記念の「オペラガラ・コンサート」は9月7日に上演。複数のオペラ歌手が曲目の聴かせどころを紹介する特別企画で、同ホールの沼尻竜典芸術監督が指揮する。メーンのオペラでは、プッチーニの「トゥーランドット」や、R・シュトラウスの「サロメ」などを披露する。
新規公演として「子どものための管弦楽教室」や若手演奏家を紹介する「びわ湖からはばたく」を始め、聴き手と弾き手の育成に力を入れる。
総事業費は、07年度(15億3700万円)並みを確保。県の予算削減に伴い、指定管理料が約1割(1億1000万円)削減されるが、基金から8000万円を拠出する。
会見した沼尻芸術監督は「経費節減と新たな収入の確保に工夫し、公演の質を落とさないようにしたい。若い世代の観客と演奏者の育成も充実させたい」と話した。
今般の問題は年10億の維持費に端を発する。もう、半年休館すると全て問題解決するのか(苦笑)?民間売却、もしくは指定管理者制度で運営を民間に委託する等、稼働実績が伴わない公共ホールならまだしも、これまで多大な成果を残してきたホールにまで適用するのには理解に苦しむ。そして、指定管理者を今後別の業者にさせる事は、今までの企画の路線の大幅な転換を意味する。せっかく育てたいい人材をここで放り投げるの?そもそもこれまでの第三者での事業評価をやっていないで予算削減を言い出すこと自体が驚きだが、事業評価すれば、如何にこのホールとホールがこれまで発信した事業が有意義だったが絶対わかるはずである。その証拠に(なるかは分からないが)、この問題、びわ湖より遠く離れた東京の関係者の間でも相当話題になっていますよ。それは、文化の中心地であるはずの東京でも、(東京からすればいわば地方にある)びわ湖が今までしてきた事を評価しているからです。びわ湖ホール、ネーミングライツ導入も検討
2月23日7時50分配信 産経新聞
年間約10億円かかるびわ湖ホール(滋賀県大津市)の維持管理のために、ネーミングライツ(命名権)の売却も含めた検討に着手することを22日、嘉田由紀子知事が明らかにした。県議会での代表質問に答え、ホール自体の売却や民営化の考えはないとしながらも、財源確保の策として検討していくと述べた。
びわ湖ホールは平成10年、県が245億円を出資して開館。国内有数の4面舞台を備えた大ホールなど充実した設備は、国内外からも評価は高いという。一方で、人件費も含めた維持管理費が年間約10億円かかることから、民間委託や売却、自主事業の公演数の減少など、経費削減の必要性が叫ばれている。
嘉田知事は「びわ湖ホールは、県民にとって『誇り・宝』ともなっており、生活の中に定着しつつある」と必要性を主張。維持管理費が赤字ではないかとの質問に対しては、「公共ホールの運営は税金の投入がなくては成り立たない。文化政策のための必要投資」と理解を求め、財源確保策として助成金の獲得とともにネーミングライツの導入に触れた。
そのうえで、今年9月に迎える開館10周年を機に、びわ湖ホールに対する実践的評価を行う必要があるとの見解を示した。
できるだけ予算策定にあたって、その削減額が無くなるよう、もしくは最小限で済むように祈りたい。
これまで東京にあらゆるコンサートやオペラ等の催しが開かれ、それを地方におすそ分け…的に行われていたのに、びわ湖ホールができて以降、「びわ湖からもこういうものが発信できる」というあの勢いを我々は思い出すべきです。これからはびわ湖を初め、各地方が文化を発信していく時代です。こういう財政的に大変な時代だからこそ!我々の音楽をはじめとする文化・芸術の分野は費用対効果が一番現れにくいけれど、いいモノ(プロダクション)を作れば多くの人の心を豊かにします。それを実践してきたびわ湖ホールは全国の地方公共ホールの模範です。
と、兼ねてから全国の主だった公共音楽ホールの運営形態に興味を持つ中でびわ湖に惹かれ、声楽アンサンブル入団を狙いつつ、留学で断念したびわ湖ホールの隠れファンから、でした。
びわ湖ホールを応援する会…予算案の修正可決に反対する皆さん、署名にご協力を!
2008/03/06(木) | 日常生活 | トラックバック(1) | コメント(5)










