2005'10.11 (Tue) 23:55
第74回日本音楽コンクール本選会(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛・三井物産)が15日、東京・新宿の東京オペラシティコンサートホールで始まる。今回はピアノ、バイオリン、声楽、作曲、チェロ、ホルンの6部門で、計714人が参加した激戦の予選会を突破した計30人が本選会に挑む。協奏曲で競うピアノ、バイオリン部門と声楽部門がオーケストラをバックに演奏、歌唱を披露する。「近年、まれに見る実力を備えた有望新人が本選に挑む」(審査員)ため、十分、クラシック音楽の楽しさを堪能できるコンクールとなりそうだ。【上遠野健一、山崎剛】
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◆ピアノ◇昨年3位の長瀬君、3人も入賞歴豊富
ピアノ部門は、予選会に184人が出場した。1次、2次、3次予選を突破し、本選へ進んだのは伊藤伸君(桐朋学園大)▽長瀬賢弘君(東京芸大大学院)▽海瀬京子さん(東京音大)▽丸山耕路君(大阪音大)=本選演奏順=の4人。
伊藤、長瀬両君は秋田、福島の出身で、東北出身のピアニスト2人が本選に出場するのは極めてまれなケースとなった。海瀬さんは静岡、丸山君は奈良の出身だ。長瀬君は昨年の大会で3位に入っているほか、ほかの3人も各種ピアノコンクールでの入賞経験があり、実力の拮抗した充実した演奏が聴けそうだ。
また、選んだ本選曲(作曲者)は伊藤君がシューマン、長瀬君はプロコフィエフ、海瀬さんはラフマニノフ、丸山君はショパンとそれぞれ分かれており、聴衆にとってはピアノの魅力を堪能しながらコンクールを楽しめる。オーケストラは東京交響楽団が引き受ける。
◆バイオリン
◇学生音コン出身の2高校生含む4人
バイオリン部門は60回大会以降、最多の129人が予選会に出場した。激戦をかいくぐって本選会には清永あやさん(相愛高)▽湯本亜美さん(東京芸大付属音楽高)▽中川直子さん(東京音大大学院)▽植村太郎君(桐朋学園大)=出演順=の4人が残った。清永さん、湯本さんの2人は全日本学生音楽コンクール(毎日新聞社主催)の出身者。清永さんは第53回学コンの小学校の部の全国1位で、湯本さんは第56回学コンの中学の部の全国1位だ。10代の2人に対し、大学生2人がどんな演奏を披露するか注目される。
予選を終えた審査員らの印象は「技術のしっかりした4人が本選に出場する」。本選は東京交響楽団をバックに、1人約30分間、演奏する。
◆声楽
◇歌唱も動作も卓越した表現力
オペラで競う声楽部門は142人が予選会に出場した。「実力のある新人がそろった」(審査員)予選会を突破したのは大山亜紀子さん(東京芸大大学院)▽佐藤康子さん(同)▽初鹿野剛さん(東京芸大卒)▽谷村由美子さん(京都市立芸大卒)▽松本薫平さん(東京芸大卒)▽志田雄啓君(東京芸大大学院)=演奏順=の6人だ。
男性3人、女性3人で、東京フィルハーモニー交響楽団をバックに、1人約15分間の歌唱を披露する。
6人は歌唱力ばかりでなく、動作、仕草も卓越した表現力を備えており、聴衆はオペラの魅力を楽しめるはずだ。
◆作曲
◇60回以降最多の74曲応募
作曲部門は60回大会以降、最多の74曲の応募があった。今回は室内楽の作曲を対象に競う。譜面審査をクリアしたのは荒井建君(東京音大)▽山中千佳子さん(東京芸大)▽横島浩さん(武蔵野音大大学院修了)▽木村真人さん(同)▽桑原ゆうさん(東京芸大)▽篠田昌伸さん(東京芸大大学院修了)▽松本直祐樹君(東京芸大大学院)=演奏順=の7人の作品が残った。
曲は15分程度。ピアノ、バイオリン、チェロなど室内楽の編成で、楽団「アール・レスピラン」が演奏する。
◆チェロ
◇ハイレベル3人が伯仲
2年に1度開催されているチェロ部門の予選には57人が参加した。門脇大樹さん(東京芸大卒)▽宮田大君(桐朋学園大)▽高木慶太君(桐朋学園大大学院)=演奏順=の男性3人が本選出場を決めた。
3人は1次、2次予選で他を寄せ付けず、頭ひとつリードする形で本選に進んだ。実力は伯仲しており、本選では緊迫した展開が予想される。
チェロはピアノ伴奏で演奏するが、1人約30分間が持ち時間だ。3人全員がショスタコーヴィチを本選で演奏する。
◆ホルン
◇日フィル首席らプロも
ホルン部門は予選に128人が出場した。本選には木山明子さん(京都市立芸大卒)▽岸上穣君(東京芸大)▽福川伸陽さん(日本フィル首席奏者)▽大野雄太さん(新日本フィル団員)▽岩佐朋彦さん(武蔵野音大卒)▽松坂隼君(東京芸大)=演奏順=の6人が進んだ。
6人の中には、すでにオーケストラの団員として活躍しているなど、ほぼプロとして独り立ちした奏者が残った。いわばプロが実力日本一を競う格好で、聴きごたえのある演奏が楽しめる。
本選はR.シュトラウスの曲を、ピアノ伴奏で演奏する。
◇本選会の概要
部門名のあとは開演日時、演奏者(出演順)など。敬称略。
《ピアノ部門》15日(土)午後5時
(1)伊藤伸(桐朋学園大1年)シューマン/協奏曲イ短調作品54
(2)長瀬賢弘(東京芸大大学院2年)プロコフィエフ/協奏曲3番ハ長調作品26
(3)海瀬京子(東京音大4年)ラフマニノフ/協奏曲1番嬰ヘ短調作品1
(4)丸山耕路(大阪音大4年)ショパン/協奏曲1番ホ短調作品11
※共演=矢崎彦太郎指揮・東京交響楽団
《バイオリン部門》16日(日)午後5時
(1)清永あや(相愛高3年)
(2)湯本亜美(東京芸大付高2年)
(3)中川直子(東京音大大学院1年)以上シベリウス協奏曲ニ短調作品47
(4)植村太郎(桐朋学園大4年)バルトーク協奏曲2番
※共演=梅田俊明指揮・東京交響楽団
《作曲部門(室内楽曲)》17日(月)午後5時
(1)荒井建(東京音大3年)
(2)山中千佳子(東京芸大3年)
(3)横島浩(武蔵野音大大学院修了)
(4)木村真人(武蔵野音大卒)
(5)桑原ゆう(東京芸大3年)
(6)篠田昌伸(東京芸大大学院修了)
(7)松本直祐樹(東京芸大大学院)
※演奏=アール・レスピラン
《ホルン部門》18日(火)午後5時
(1)木山明子(京都市立芸大卒)
(2)岸上穣(東京芸大2年)
(3)福川伸陽(日本フィル首席)
(4)大野雄太(新日本フィル団員)
(5)岩佐朋彦(武蔵野音大卒)
(6)松坂隼(東京芸大2年)
▽課題曲=R.シュトラウス/協奏曲2番変ホ長調
《声楽部門(オペラ・アリア)》19日(水)午後5時
(1)大山亜紀子(東京芸大大学院)マスカーニ/「イリス」私は悲しく恐ろしい夢を見た 他
(2)佐藤康子(東京芸大大学院)ヴェルディ/「イル・トロヴァトーレ」静かな夜に 他
(3)初鹿野剛(東京芸大卒)ベルク/「ルル」さあ猛獣の国においで下さい 他
(4)谷村由美子(京都市立芸大卒)ドヴォルザーク/「ルサルカ」月に寄せる歌 他
(5)松本薫平(東京芸大卒)プッチーニ/「ボエーム」冷たき手を 他
(6)志田雄啓(東京芸大大学院)ヴェルディ/「マクベス」ああ父の手は 他
※共演=現田茂夫指揮・東京フィルハーモニー交響楽団
《チェロ部門》20日(木)午後2時
(1)門脇大樹(東京芸大卒)
(2)宮田大(桐朋学園大ソリスト・ディプロマコース1年)
(3)高木慶太(桐朋学園大大学院1年)
▽課題曲=ショスタコーヴィチ/協奏曲1番作品107
《会場》東京オペラシティコンサートホール(京王新線初台駅下車)
《入場料》指定席2500円、自由席2000円。チケットぴあ(0570・02・9999)、東京オペラシティチケットセンター(03・5353・9999)で前売り中。審査会につき入場は小学生以上
《問い合わせ》毎日新聞社事業本部内「日本音楽コンクール事務局」=03・3212・0187(平日10〜18時)
※本選会の模様は12月23日NHK教育テレビで放送(ドキュメント)されます。
[毎日新聞東京夕刊 2005年10月11日]
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